1クール目OPの感想2

前回の記事から続いてうだうだと語る。
全話について感想を書きたいとか思っていたりするがOPの感想だけでえらい時間がかかるという。

このOPは、些細な動きで髪が揺らいだり、あるいは突風に煽られて激しく髪や服がはためいたりと、風の印象が強い。単純に「よく動くなー」としか思っていなかったが、その部分について、ファイナルベストで入江監督が触れていた。

「随所に"風"の表現を取り入れているのですが、これはその世界に住んでるキャラクターたちの存在感、空気感みたいなのを表現してみたかったんですよね」

との事。プロの人は「なんとなく」ではなくちゃんと考えてものを作るんだなーと感心した。


OP冒頭部分のトリシャはホーエンハイム視点という事に前回で触れたが、その部分と、エド視点でのトリシャを比較してみる。

下は第5話の、エドの回想から。
OPではホーエンハイムが上からトリシャを見下ろし、トリシャは上目づかい。5話では幼いエドが下から見上げ、トリシャは下に目線を向ける。本編が始まった時点で既に亡くなっているトリシャは、回想の中の人物でしかない。だから、トリシャを描く時は「誰目線での回想か」という事が意識されているんじゃないかと思う。
トリシャの表情は、どちらも大事な人に向ける愛情がこもった笑顔。でもこめられている愛情の種類は夫に対してと子に対してではやや違い、笑顔も少し異なる感じ。
OPのトリシャは異様にかわいい。トリシャかわいいよトリシャちゃんトリシャ・エルリックちゃんとちゅっちゅしたいよう〜とか言いだしたくなるぐらい可愛い。これはトリシャの笑みが嫁として伴侶へ向ける種類のものだから。あと、トリシャが可愛くて可愛くて仕方ないホーエンハイム視点なせいかもしれない。
5話のトリシャはとてもお母さんらしい。優しそうだし、なんというか頼もしさみたいなのもある。それがエドから見たトリシャ。


幼いエルリック兄弟→現在のホーエンハイムと来た次は、現在のエルリック兄弟が登場する。

ここから、ゆったりしていた曲調が一気に盛り上がる。流れる映像も燃え盛る炎で何度見てもwktkする。
一番初めに暗闇の中に現れるこの赤いものは、炎ではなく賢者の石なんじゃないかと思う。
この赤いものは徐々に広がり、画面全体が赤くなり、やがて炎に変わる。「赤いもの」と「炎」の質感は明らかに描き分けられており、小さな火種が燃え広がった、という描写には思えない。「赤いもの」が広がり、同じ赤色をした「炎」に切り替わったという表現だと思われる。
ここの場面切り替えは、ホーエンハイムの賢者の石→賢者の石は赤い→同じように赤い炎→エルリック兄弟の起こした炎、という風につながっているんじゃなかろうか。



ここの炎が上がっていく様子、こんなに高くまで煙が上がるものなのか……とちょっとたまげた。漫画もこうだったっけな読み返したいけど実家が遠い。
田舎の、けして手狭というわけではない一軒家があれだけ勢いよく燃えたのだからこうなるのも当たり前なのだろうか。炎を前にしたエドのコートやアルのふんどしが激しくはためいていたが、炎による風圧があれぐらい激しい距離なら、煙たさもものすごいのではないかと少し心配になった。
エルリック兄弟にとっての「はじまりの日」は、母が死んだ日でもなく、人体錬成を試みた日でもなく、家を燃やした日なんだなーと、このシーンにタイトルロゴがかぶるのを見ながら思った。

エルリック兄弟と共に家が燃えるのを見守ったロックベル家の二人は、兄弟が家を燃やす理由をよくわかっている。でも、近所の人たちはどの程度知っていたのだろうか。家と家の間隔が広いとはいえ、これだけ炎が上がっていれば気づくんじゃないだろうか。家を燃やすところを、その家の住人だった兄弟が見守っているという光景は、なにも知らない人から見たらかなりびっくりするものだろうけど、そこらへんどうなんだろう。それとも、これだけ燃えあがってても容易には気づかないほど家と家の間隔はものすごく遠いものなんだろうか。
と、ものすごくどうでもいい事を思った。


そしてまた次回へ続く。
OP感想だけでどれだけ時間がかかってしまうのだろうか。
感想3