1クール目OPの感想

2009年の4月から放映された1クール目OPの感想というのも今更な気がするが、語りたいので語る。

YUIのことは楽曲について疎いので名前ぐらいしか知らず、放送前は大丈夫だろうかと心配していたが、実際に映像を見てそんな心配は吹っ飛んだ。
ちょっとさびしそうなゆったりとした曲調から始まって、ギターの激しい曲調と共に盛り上がっていく、という歌がまず気に入った。そしていきなり若ホーエンハイムが出てくるというところに興奮した。

以下、アニメ1話時点ではわからない先の展開のネタバレあり。



まず初めに現れるキャラクター。
それは主人公のエドではなく、準主人公と言えるアルでもなく、二人の父親のホーエンハイム
終盤に登場するようなキャラクターを最初のOPから出すというアニメはよくあるが、一番初めに出すというのは非常に珍しい事だと思う。
1クール目本編ではホーエンハイムはさっぱり活躍しない。だがしかし、というかだからこそ、彼の存在は重要なものだと示す上で、あえて主人公のエドではなくホーエンハイムを真っ先に見せるという演出を選んだのは大変よかった。

当時、ホーエンハイムがいきなり出てきて、テレビ見ながらリアルで奇声を発するほど嬉しかった。
それは、自分がホーエンハイム好きだからというのが一番の理由。二番目は、その大好きなホーエンハイムの事を、重要なキャラクターであると絵コンテ切った入江監督がちゃんとわかっていてくれたと感じられた事。三番四番と、嬉しかった理由がだらだら続けられるぐらい嬉しかった。

アニメ放映前、「2009年版アニメは漫画準拠である」という公式アナウンスはなかった。
2003年版の続きと言う事は有り得ないはずではあるが、前例があるだけに、2003年版と同様にオリジナル色の強いアニメになる可能性もあった。それはそれで面白いかもしれないが、漫画が大好きだからこそアニメも見る事にした自分としては、オリジナル展開ばかりのアニメだったら見ないでおこうと思っていた。
OPでのあのいきなりの若ホーエンハイムの登場は、「原作にあった、若ホーエンハイム登場のあたりもきちっとやります」というアニメスタッフの表明のようで、あのおかげで安心して継続視聴をする事ができた。
(といいつつ原作は実家の姉所有で、自分はいつか出るに違いない完全版待ちなので手元には最終回付近のガンガンぐらいしかないというww)



ホーエンハイムに続いて現れるのは、ホーエンハイムの妻のトリシャ。
本編ではエド視点で「お母さん」として描かれる事が大きいトリシャだが、ここでの上目づかいで微笑むトリシャの表情は「母」ではなく「嫁」のもの。「妻」って言った方がいいかもしれないが、なんか嫁と言った方が可愛い気がするので嫁ということで。
ここのトリシャの笑顔は息子に見せる微笑みとは少し種類が異なるもの。長身のホーエンハイム視点で、背景の景色などもあわせ、少し見下ろすような視点になっている。
本編では立派な母としての姿がクローズアップされるトリシャだが、ここのトリシャは一人の「愛される女性」という感じで可愛い。正直萌えた。


続いて、やっと主人公登場。
先に出たトリシャはホーエンハイムの視点の映像だったが、この幼少エルリック兄弟もまた、明らかにホーエンハイムから見た視点。床の斜め具合(?)など、長身の男性が見下ろしたからこその視界となっている。
ここは、扉を開けられた事で入ってきた光に目をまぶしそうに反応させるアルの動きや、エドの袖を掴んでいるアルが可愛かった。


そしてこれらの映像に続くのが、現在の姿となったホーエンハイム
多分、ここまでの「若ホーエンハイム・トリシャ・幼少エルリック兄弟」は、現在のホーエンハイムの回想という形式なのだと思う。
トリシャの表情について「母でなく嫁のもの」と書いたが、ひょっとすると、あの映像の中でのトリシャはまだ兄弟を産む前で、実際に母でない頃だったのかもしれない。

全ての始まりである若き日の事を思い出し、愛しい女性の事を思い出し、同じぐらいに愛しい息子たちの事を思い出し
、そしてホーエンハイムは現在へと立ち帰る。過去の自分を思い出して苦さを噛みしめ、家族を思い返して再会を夢見ることで、ホーエンハイムは映像の中にあるような、あの強い瞳を取り戻して歩き続けることができたんだろうな。


OPのものすごく冒頭の部分だけでえらい長文になってしまった。
まだ色々と語りたいが書く時間もかけすぎてしまったので分割してまた明日以降に書きたい。
とにもかくにも、このOPの冒頭部分だけで大いにハートキャッチされてしまった。

感想2