1クール目OPの感想4(完)

前々々回の記事前々回の記事前回の記事に引き続きうだうだと語る。OPだけではわからない本編のネタバレもあり。
大体1分半ほどのOPの感想にこんなに時間がかかるとは……OPは短くてもアニメの顔みたいな面があるため、これでもかと情報が詰め込まれていてコマ送りして見るのがすごく楽しい。

感想がやっとサビのところまで進めたぞー\(^0^)/と思っていたが、触れていなかったのでちょっと冒頭に戻る。

上はOP冒頭のシーン。最初に登場する人物である若ホーエンハイムよりも前に現れ、彼の背景ともなる。
初めて見た時は若ホーエンハイムに興奮して気づいていなかった。原作で先に見ていた図だが、色鮮やかすぎて同一のものだとすぐにはわからなかった。カラーのアニメだからこその美しさだなー原作でカラーで描かれた事はあったっけな。
この図は本編で重要なものとして扱われ、若ホーエンハイムの姿よりもある意味ものすごいネタバレかもしれない。でも視聴者はリアル錬金術師ではないので図を見ただけで「この図は○○○○を意味しているんだな!」と勘付いたりはしないので、ネタバレというよりも先出しとでもいった方が適当だろうか。

下の画像は本編18話より。2クール目に入ってOPが変わった後に、初めてこの図は本編に登場し、エドはそれを目撃する。
並べてみると退色具合がすごい。上のは、キラキラと輝いており宝石でもはめ込んでいるように見えるが、色こそ落ちたものの形は残っているので、上から塗っただけなんだろうなー。
OPでは本来のサイズは無視されているが、本編ではエドが見上げるほどに巨大なものとして現れる。
1クール目冒頭に堂々の初出を遂げているとはいえ、原作で先に知っている人でなければ、鮮やかな上の図と、古色に褪せた下の図を「これは同じ物だ」とは気づきにくいだろうなー。話が進んで本編で説明が成された時、やっと上下の図が結び付き、確かめるために1クール目OPを見返した人もいるかもしれない。


やっと念願のサビにまで辿りついた\(^0^)/

サビが好きだ。
「罪の最後は涙じゃないよ ずっと苦しく背負ってくんだ」
曲調や動画はもちろんだが、歌詞がいい。
「ずっと苦しく背負いながらも、涙では終わらせない」
という意味に取れ、本編にあっている。「涙で終る、悲劇でおわる」ではなく「辛い事を投げ出す事でハッピーエンドを得る」でもないというのが重要。鋼の錬金術師のために書き下ろされた歌詞ではないが、こういう風に「あっているなー」と感じられる箇所がいくつもあるとあるとうれしい。

ここの映像は、右腕と左足を持っていかれるエド、全身を持っていかれるアル、倒れそうになるのを踏みとどまっているようなウィンリィが順々に登場する。
エドは右腕が消えていった後に、左足が消えていく。本編では左足→右腕なのだがなんでだろう。深い意味はないのか。作中では同じ機械鎧なのに左足さんは空気気味で、右腕さんばかりが目立つからOPでも後なのか。左足さんが役立つ事だってたまにはあるのに。
アルは四肢がほぼ同時に消えていき、服も一緒に持っていかれる。本編では服は残る。エドもそうだが、全体的にあくまでイメージ映像なので完全に本編にそっているわけではない。二人ともお腹がチラっと見えるところがあるなーとどうでもいい事に目がいってしまう。
最後にウィンリィ。彼女はなにも持っていかれない。でも、先に現れた兄弟が激しい風を巻き起こしながら肉体を持っていかれた煽りを食らうように、体の安定を失いよろよろとする。肉体が無事であれば、体に痛みさえなければ傷がつかないわけではなく、ウィンリィもまた、人体錬成が試されたその日に大きな影響を受けた一人、というのが端的に伝わる。

三人の背景が気になる。エドはかつてのエルリック家の前。ウィンリィはロックベル家の前。それはわかるが、アルがいるのはどこなんだろう。
登下校に使ってる道?本編のどこかに登場してただろうか。エドウィンリィの背景は昼の風景なのに対して、アルだけ夕焼けっぽい感じがする。
こうして並べて見ると、ロックベル家はでかい。エルリック家だって小さいわけではないだろうが。エルリック家は普通の一軒家なのに対して、ロックベル家は機械鎧関連の設備やら、機械鎧をつけてもらうため訪れた人を泊めるための部屋とかがあるんだろうな。


リゼンブール三人組の次は、ホムンクルス三人組登場。

何故か、各人は先に登場した人物の口の中から現れる。大口のグラトニーはともかく、エンヴィーの顔がすごい事に。
こいつらの出生順は、ラスト→エンヴィー→グラトニーで、グラトニーよりエンヴィーが、エンヴィーよりラストが上に立つように描かれる。ホムンクルスたちは出生順に実際に立場に上下がある感じだが、立場が上の者ほど、ここでは上の方に配置されるのか。わりと殺伐としたホムンクルスたちの中で、この三人はあまり上下を気にせず比較的仲良くやっている方ではあるが。背景の空は真っ赤で、アップで笑うラストの瞳も真っ赤。ラストさん妖艶。

ラストが不敵に笑う後に、焔を飛ばすマスタングに切り替わるというのがいいなー
ここからは各キャラの戦い方紹介コーナー。リザの身をひねる瞬間の口の形が三角形のようになっていてかわいい。アレックスは戦っているというより吠えてる。

ここでマリアとブロッシュが出るのは意外だったなー。びっくり人間たちと比べると地味かもしれないが、この二人の兄弟への言動、存在は重要なもの。
誰かに気づいてふりむく→相手にびっくりする→緊張しながら敬礼 息のそろった二人のこの動作がえらい可愛い。対峙してるのは誰なのだろう。



続いて、なにかに襲いかかろうとするように高いから飛び降りるグリードさん。次に現れる大総統に対して向かって行っているような……本編での二人の因縁と照らし合わせてしまいたいからそう思えるだけだろうか。
大総統の瞳はアニメではじめて意識したなー グリーンで美しい


エンヴィー・グラトニーと戦うエド。スピード感を出すためなのか線が毛羽立っているかのような感じになっている。細かいところに色々工夫がされてるんだなー
ニヤニヤしているエンヴィーが、画面の外に吹っ飛ばされる時も吹っ飛びながらニヤニヤしているのがwwww



次の場面ではスカー登場。歌詞が「帰る場所もないの」というところで本当に帰る場所のないスカーを出すというのが物悲しい。雨の中で座り込んでいたスカーが、日が照り出すと共に立ちあがって走りだすというのは、少し希望がある。
スカーさんマジイケメン


ここら辺は歌詞と映像をあわせることを強く意識していそうだ。「優しさにはいつも感謝してる」でピナコとデンが登場。ピナコの煙草の煙がわっかになってる。ゆったりした感じの場面だけどデンがよく動く。
この場面にはウィンリィはいない。まだ子供で、一人前の社会人とはいえ大人に支えられる側であるウィンリィは、ここでは優しさを与える側ではなく、ピナコに優しさを向けてもらう側なのかもしれない。
ピナコは、兄弟が旅に出て、ウィンリィも修行のために家を出た後に、デンと一緒に「あの子たち次はいつ帰ってくるんだろう」とか思いながら外をぼんやり見ている瞬間が何度かあったんだろうなー


再びホムンクルスと戦うエド。先程はエンヴィーとグラトニーのみだったが今度はラストまで加わる。
本編でこんな展開になったらエドはサクッとフルボッコにされていそうだ……イメージ映像のOPだからこそ出来る、三人相手でも妙に強いエドであった。

ふっとばされるグラトニーの顔が(××)ってなっていて可愛い。けっこうシリアスな場面なのにこんなところで可愛さアピールをするとはグラトニーめ。普通に見ている時は気づかず、スロー再生して初めて気づいた。直後に逆さまにふってくるエンヴィーの方にどうしても目が行ってしまっていたから。


最後の方はなんか意味深だ。ここからの流れって、まだ当時原作でもやっていなかった部分のネタバレが込められていたんじゃないかと思ったりする。

機械鎧の右腕を放り投げるエド、それに呼応するかのように、モノクロからカラフルに色を変化させる巨大な目玉。
巨大な目玉、連なる小さな目玉、目玉は作中で「真理」を表わすものとして登場する。右腕がちぎられた後に、真理が反応する……というのが最終回付近の展開と少しかぶるような気がする。うーん考えすぎだろうか。4クールOPも先の展開のネタバレっぽい描写があってちょっと話題になってたが、あそこまでぴったり一致ってわけではないからなー


OPの最後を締める歌詞が「こんな痛みも歓迎じゃん」である事に対しては、当時批判的な意見が多かった。「じゃん」という言い方が軽すぎて浮いているという意見もあれば、「痛みを歓迎する」という内容なのはどうなんだという歌詞の意味自体に対してのものまで。じゃんじゃんじゃん
後者について。タイアップ曲なのであわない部分があるのはまあ仕方ないが、しかし、そこまで本編内容と乖離する歌詞でもないと思った。
エドは、戦いの中で自分に流血をさせた相手に対して「おかげで頭にのぼってた血がぬけて意識が冴えた」というような事を言っちゃうような奴なので、わりと強がってああいう意味合いの事を言ってもおかしくはない。不敵ぶるというか強がった結果として。
エドと関連づけるまでもなく、特にあそこらへんに違和感を感じていなかったので、ネット上で批判が多かったのにはびっくりした。作中で語られる痛みについて〜といった真面目な話にも発展していて、みんなOPから色んな物を読み取ったりつなげていくんだなーと感心した。
「”懐かしく”の場面でウィンリィを出しつつ、"懐かしくなるこんな痛み"といっているのだから、あれはウィンリィにスパナで殴られる痛みを指す ウィンリィに殴られる事は昔からの事で懐かしいものだから歓迎できるというエドのデレ心だ」みたいな超解釈も面白かった。



最後の場面は、朝と夜との間の時間に佇む謎の二人の姿。
なんとなく、夕焼けというよりは朝焼けなイメージ。
この影は、黒一色で描かれていて、色調補正などをしても細部がわかったりはしない。
これは生身の体の兄弟なんだろうか。前の場面がネタバレっぽい感じがするので、それとあわせると元に戻った二人の姿か……とも思ったが、頭身が低いので子供の姿のようだ。兄弟の幼い頃かな?
右の影の頭部にはアンテナのようなものがあるので、右がエドで左がアルっぽい。
今となっては、エドの子供か?とも思えたが、普通にエドとアルっていうのが妥当だろうなー


今度発売するアニメ原画集、OPについての解説とかはやるのだろうか。
ひたすらうだうだ感想を書いたが、スタッフの人自身に長文解説を繰り広げてほしい……
書いているうちにどんどん長くなっていった1クール目OP感想がとりあえずオワタ\(^0^)/